「僕の心臓」

冷凍庫の扉を開けると動力付き憶発見器が回っていた。冷蔵庫を開けると赤い扉があった。扉にはふさがれた窓とのぞき穴があった。
のぞき穴を覗くと顔が見える。扉を開くと内側には小説のページがびっしりと張られ、中央にタイプライターが置かれていた。

-ただいま。
待ッテイテクレタ?
ドウモ、アリガトウ。
......何処からハナソウか、僕が月へ行って来たことを。凍り付いた冷蔵庫のドアから、僕が見てきた数々の物語を。
今もなお、刻々と変化する僕の脳を、僕の心臓を、
僕の世界を。
ボタンヲ押シテクレナイカナ。
僕ハ喋り出シ始メタヨ。
君たちの世界とはちょっと言葉が違うかも知れない。
だからハヤク、そのキカイを動かしてくれないか。
そのやわらかいセンスと複雑な感情で。
僕のコトバをわかっては、くれまいか。


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